アイネット証券のシステムトレード「シストレi-NET」では、ミラートレーダーとは違った独自の自動売買システムを提供しています。
その中の「ループ・イフダン」という売買システムの内容がトラリピと非常に似通っていたので、両者の違いを比較してみました。
ループ・イフダンとトラリピ解説
ループ・イフダン
一定値幅ごとにイフダンの注文を実行する売買システムです。利食いは一定値幅ごとに設定しています。特にレンジ相場を得意とし、コツコツと利益の出ているポジションを決済していく売買システムです。
トラリピ
トラリピ(トラップリピートイフダン®)は、その名の通り「罠(トラップ)を仕掛ける」ように、一定の値幅で複数の注文を同時に発注してくれる注文方法です。
根本的なしくみはどちらも同じ
トラリピ、ループ・イフダン双方とも「IFD(イフダン)注文」の「リピート注文」を売りにしています。
そのため、ループ・イフダンはトラリピのパクリではないか?という疑問が生まれたり、トラリピとループ・イフダンはどう違うのだろうかという疑問を持つことになります。
結論から言うと、どちらも根本的なしくみは同じなので似通っていて当たり前なのです。
また、トラリピがこの注文方法の提供を開始したのが2007年、ループ・イフダンの方が2013年ですからパクリと言われてもしかたが無い部分もあります。
なお、こういったIFDのリピート注文を売りにしているFX業者は他にもあり、サイバーエージェントFXの「リピートレール」やジャパンネット銀行の「連続IFDOCO注文」が同じようなしくみを提供しています。
リピート注文って?
リピート注文とは、IFD注文を何度も繰り返してくれる注文方法です。
IFD(イフダン)注文って?
一度に二つの注文を出して、最初の注文が約定したら二つめの注文が自動的に発動される注文方法です。FX取引の中では昔からある注文方法です。
たとえば、1ドル=102円でドルを買うという注文を出す場合、同時に「1ドル=104円になったらドルを売る」という注文を出すことができます。
最初の注文が約定したら、その反対売買の注文が自動で発動して約定します。
これが「IFD(イフダン)注文」のしくみです。二つめの注文は、最初の注文が成約しない限り発動されることはありません。
トラリピとループイフダンはともにIFD注文を複数に渡って配置し、無限にリピートするしくみを提供しているにすぎません。
買いと売りの注文を1つのペアとして毎回手動設定しなければならない通常のIFDでは、再設定する煩わしさがつきまといますが、この点を排除した取引方法によって、同じ値幅を何度も行ったり来たりする『レンジ相場』であれば、自動的に繰り返し利益を上げることができます。
ループ・イフダンとトラリピの決定的な違い
トラリピとループ・イフダンの最大の違いは、”値幅を指定できるか、できないか”といういたって単純な違いです。
ループ・イフダンでは既にプログラムによって値幅が決まっています。その値幅が決まったプログラムを動かすことになるため、売買システム(シストレ)と呼んでいるようです。
トラリピの公式がシストレと謳ってないのは、値幅(トラップ値幅)を自由に設定でき、売買プログラムではなく、”注文方法”としているためです。
ループ・イフダンはトラリピの”簡易版”的イメージ!
ループ・イフダンB50_50をトラリピ風に言うと、「0.50円刻みでトラップを仕掛ける!」ということになります。
値幅を自由に指定できないとなると、ループ・イフダンの存在価値ってどうなるのか。
トラリピの簡易版ともいえるループ・イフダンですが、値幅を自由に指定できないその存在に価値ってあるのでしょうか?
利用する人がいるのかと疑問に思います。利用するとしても以下のような条件が前提にあるのではないでしょうか。
- トラリピでトラップ値幅を設定するのさえ煩わしい人
- トラップ値幅を変更することがない人
なおかつ
- トラリピよりスプレッドが狭く、スワップポイントが多く貰えること
値幅を変えるつもりがなく、トラリピより断然スプレッドが狭く、スワップポイントが多く貰える場合に限り、ループ・イフダンは”使える”シストレになるのではないでしょうか。
スプレッド・スワップ徹底比較
以下は、トラリピとループイフダンにおける主要通貨のスプレッドです。
トラリピのスプレッドが広いのはFX業界の中では有名です。
また、トラリピで取引すると取引手数料として1000通貨単位あたり50円取られます。その点を鑑みると、取引手数料無料でかつトラリピよりスプレッドが狭いループイフダンを使用したほうがトータルの利益はアップすることは間違いないでしょう。
なぜ、手数料の高いトラリピが人気かと言うと、自動で繰り返しリピート注文してくれる機能が他のFX業者で提供されておらず、M2Jが特許を取得し、独占的に扱っているためです。
他社の口座では手動で注文を入れるしかありませんがトラリピを使えば、レンジ相場で自動的に利益を積み上げてくれます。これはマネースクウェアジャパン(M2J)社の強みであり、だからこその高スプレッド、高手数料なのです。トラリピ使用者は高スプレッド、高手数料だと分かっていても、”こんなサービスを提供しているFX業者は他にはない”からトラリピを使用し続けているというのが、実際のところです。
今までは、高い手数料を払ってでも、トラリピを使うことにメリットがありましたが、ループイフダンの登場によって、その図式が覆りかけています。
ループイフダンは2013年に始まったばかりで、トラリピの既にある7年の歴史からすると信頼度や情報量が絶対的に足りません。
しかし、全く同じ注文を両者で仕掛けた場合、スプレッドが狭く、スワップポイントの高いループ・イフダンの方が利益率に軍配が上がることは用意に想像できます。
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