一目均衡表は戦前に日本人が開発したテクニカル指標であり、ローソク足とならんで世界に誇る大発明と呼んでいいほど広く一般的に利用されている人気の指標です。
この一目均衡表は「為替の変動は常に時間の影響を受けている」という考えを元にして機能しています。
チャートにおける横軸の時間が進むにつれて縦軸のレートが無造作に変動しているのではなく、このレートの変動は横軸にも影響されるということです。
現在の価格が過去の値動きに影響を受けているというこの考えを元にして、最終的には未来の動きまでをも現在の値動きで予測してしまおうというのがコンセプトなわけですね。
この時間軸の考え方は他のテクニカル指標には見られないかなり独特なもので、これを勉強することで相場への理解が一層深まり、さらにトレーダーとして進歩できるはずですので、是非なんとなくの仕組みくらいはおさえてほしいなと思っております。
■一目均衡表の構成要素
以下全て日足チャートの場合で説明しています。
例えば1時間チャートなら、26日間⇒26時間と変換して同様に考えることができます。
一目均衡表は転換線・基準線・遅行線・雲といった要素により構成されています。
転換線と基準線
…転換線と基準線はそれぞれその日を含む過去9日間、26日間における高値と安値の平均値を表しています。
直近の値動きをより反映しやすい転換線が直近9日間の高値or安値を更新した時点でまず動き、過去26日間の高値or安値までをも更新すれば、転換線に続いて基準線も動き出します。
横ばいならレンジ相場、上昇なら強気、下落なら弱気の相場であるなど、基準線を見ることでその時の相場の流れの概要を掴むことができます。
細かな値動きでも変動する移動平均線とは違い、転換線や基準線は直近の高値・安値内に収まったレンジ相場では1ミリも動かないのが違いです。
逆にいえばこれが同時に動けば移動平均線の変動よりも上昇・下落の圧力が強いと判断でき、かなり強いエントリーシグナルとして利用することもできますね。
またこれら2つの線は短長期2本の移動平均線を用いた時同様、より短期に当たる転換線が基準線を上抜ければゴールデンクロスで買いシグナル、反対に下抜ければデッドクロスで売りシグナルと捉えることもできます。
・雲
…一目均衡表と言えば何といってもこの「雲」ですが、この雲は値動きが激しくなるおおまかな領域を示してくれています。
一般的に移動平均線同様、雲の上にいれば上昇傾向、下にいれば下落傾向が強いです
この雲は現実の雲とは違い表面が固く、雲の上限・下限は支持ライン・抵抗ラインとしてそれぞれ機能することが多く、そのラインの固さは雲の厚みで決まります。
またこの雲は積乱雲のようで、レートが雲の内部に入ると値動きが激しくなることが多くなるため注意が必要です。
そしてこの雲を抜ければ後は何もない世界が広がり、一気にその方向へ値動きが突き進むトレンドが発生しやすい傾向があります。
もちろんこれら全てその傾向が強いというだけで、当然必ずしもそうなるとは限らないためダマシには注意が必要です。
・遅行線(遅行スパン)
…これはその日の終値どうしを繋げたバーチャートをそのまま26日前にスライドさせたもの。
この遅行線が26日前当時のチャートを上に抜ければ、直近の買い圧力がより強いという意味なので買い、下に抜けた場合は直近の売り圧力がより強いという意味なので売りのシグナルをそれぞれ表しています。
以上一目均衡表の解説となりましたが、見て気付く通りこの一目均衡表だけで相当な情報量を得ることができます。
この一目均衡表のみを利用して勝ち続けているトレーダーももちろんいますし、味方にできれば強力な戦力となってくれることは間違いないです。
コメント