週明けに見られる「相場の窓開け」現象とは
普段からFXを実践されている方でしたらご存じかも知れませんが、FXでは毎週月曜日、市場がオープした際に「窓」と呼ばれる現象が起こります。
FX初心者の中には「窓という単語は聞いたことがあるが意味はいまいち…」と思う方が多いはずですので、まず初めに窓の意味を解説させて頂こうかと思います。
窓とは「FX会社の営業時間外に値動きがあったため、月曜日の開始時に値飛びしていること」を意味します。
FX会社の多くは土曜日の朝6時前後から月曜日の朝5~7時まで営業を停止しますが、イスラム諸国(ドバイや中東など)では必ずしも日曜日が休みとは限らないため本来は営業時間外であっても少数の投資家の間で取引が行われています。
また、億単位という大口注文の場合は営業時間外であっても取引を受け付ける会社もあるため、同様に取引が行われ我々の知らないところで値動きが起きているというわけです。
その結果として月曜日の開始時には、チャートに値飛びが起こったとされる「切れ目」が表示されます。
これが一般的に窓(ギャップ)と呼ばれるものです。
ではなぜ、FXトレードに置いて窓が有効なのでしょうか?それは「開いた窓は直後に閉じる(埋まる)傾向が強い」からということになります。
窓が開けば直後に閉じやすい(埋まりやすい)とはどういうことか
それでは今挙げた「開いた窓は直後に閉じる(埋まる)傾向が強い」ということについてですが、まずはこちらの意味から解説していこうかと思います。
値飛びをして窓を開けたチャートが窓を閉じるかのように元の価格へ戻る傾向が強く、このような現象をチャート上で確認したという方がいらっしゃるかも知れませんが、この現象を一般的に「窓埋め」と呼びます。
窓埋めの説明をもっと論理的に説明すると「金曜日の夜までの値動きでストップが巻かれることで指値注文による逆方向への売買が活発になり、窓が埋まる方向へ相場が動く」ということですね。
そして窓が開く現象は月曜日にしか起こらないため、窓は埋まるという考えに基づいて窓だけを狙ってトレードしているという方も数多くいらっしゃいます。
とはいえ、開いた窓が直後に必ずしも埋まるというわけではなく、窓を埋めるのと反対方向へ値動きが起こる場合があったり、直後にしばらく上げ下げを繰り返して窓が閉まる場合もあります。
ですのでこれから窓を狙ったトレードを実践しようと思っている方は「開いた窓は直後に埋まる可能性が高いだけであって、実際は100%すぐ埋まるというわけではない」と認識していれば十分かと思います。
先ほど「100%窓が埋まるとは限らない」と説明しましたが、窓が開く原因を考えることで直後に窓埋めが起こりやすいか否かを事前に判断することができます。
では、具体的にどういったことが原因として考えられるのでしょうか。そしてどのような対策方法があるのでしょうか。
窓埋め対策
窓が開く大きな原因として週末に起こった自然災害、そして経済ニュースの報道が考えられます。
仮に相場状況を著しく変化させるようなニュースの場合、月曜日に報道することで投資家の混乱を招き、開始早々に相場状況が大きく乱れる可能性が予想されます。
そのため、為替相場の乱れに対して投資家がしっかり準備ができるようにとの狙いから、重大な経済ニュースの多くは敢えて週末に報道されるということなんです。
そしてそのような重大な経済ニュースで窓が開いた場合、開いた直後に上げ下げを繰り返ししばらく経ってから元の値に戻るという、直後に埋まりづらい窓になるケースが多いです。
逆に冒頭で説明したような、イスラム諸国での少数の投資家間での売買によって開いた窓というのは、そこまで中身のない値動きだと判断されるため、月曜日の開始と同時に窓が埋まりやすいとされています。
以上のように、一言で「窓開け」「窓埋め」と言っても状況によって埋まりやすい窓と埋まりづらい窓があることがお分かり頂けたかと思います。
巷には窓埋めを狙ったFX商材が出回っていますから、今まさに窓埋め手法を実践している方やこれから新たに実践しようと考えている方もいらっしゃるはずです。
そのような方は、月曜日の開始直後のチャートを実際に確認し窓が開いていることを自分の目で確認したり、週末に報道される経済ニュースは欠かさずチェックするなど、自分なりに情報収集を行うことで今後窓が開いているチャートを見た時に
「この窓は果たして直後に埋まるのか」「しばらく経過しないと埋まらないのではないか」といった見極めが可能になり、窓埋めを狙ったより精度の高いトレードスキルが身に付くということです。
このように、週末に発表される世界経済関連のニュースをチェックしておくことで「埋まりやすい窓」なのか「埋まりづらい窓」かの予測を立てることができるため、週明けの窓を狙ったトレードを行う場合は参考にされてみて下さい。
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